Ableton Live初心者ガイド:ゼロからはじめる曲作りチュートリアル

目次
1. Ableton Liveとは
Ableton Liveは音楽制作、作曲、ライブパフォーマンスに特化した超強力なDAW。独自のインターフェースで初心者からプロまでクリエイターにめちゃくちゃ人気。即興アイデアから本格的な曲作りまで何でもできる。
主な特徴
- セッションビュー:他のDAWと違って、アイデアをリアルタイムで自由に試して、その場でアレンジできる。DJやライブエレクトロニックに最強。
- ワープ機能:オーディオのテンポやピッチを独立して自由自在に操れる。異なるBPMのサンプルも簡単に揃えられる。
- 直感的なUI:見た目シンプルで操作も分かりやすい。
- マルチな機能:録音、MIDI編集、サンプリング、エフェクト、Max for Liveによる拡張など全部入り。
- コミュニティが超活発:チュートリアルやサウンド素材がバンバン出てるから独学でも安心。
このへんがクリエイターに選ばれまくる理由。
このチュートリアルで学べること
Ableton Liveの立ち上げから曲作り・書き出しまで全部の基本。プロジェクトのスタート、音源の追加・編集、ミキシング、ビートやリズム、メロディとハーモニー制作、レコーディング、アレンジ、マスタリング、エクスポートまで順番に解説。このガイドが音楽制作への最初の一歩になると嬉しい。
2. 基本画面と操作
セッションビューとアレンジメントビュー
- セッションビュー:アイデア出しとか即興制作にピッタリ。縦にトラックが並んでて、各クリップをループや同時再生できる。
- アレンジメントビュー:横にタイムラインがある一般的なDAWスタイル。曲の構成をしっかり作り込む時に使う。 この2つを使い分けて柔軟な制作ができるのがLiveの大きな魅力。
ブラウザーとライブラリー
左のブラウザーでサンプルやループ、プラグイン、プリセットなど制作に使う素材が探せる。ドラッグ&ドロップで追加もラクラク。
トラックタイプ:オーディオトラックとMIDIトラック
- オーディオトラックは録音やサンプルの再生用。
- MIDIトラックはソフトシンセや外部機材をコントロールしたり、MIDIフレーズの生成・編集ができる。
MIDIコントローラーとオーディオインターフェース
MIDIコントローラーやオーディオIFのセットアップもシンプル。物理的な操作やマイク/楽器の録音も簡単になる。
3. プロジェクトのセットアップ
新規プロジェクト作成
Liveを起動したら自動で新しいプロジェクトが立ち上がる。別の新規作成は「File」メニューから。既存プロジェクトは「Open Live Set」で開く。
トラックの追加・削除
デフォで1MIDI+2オーディオ。追加は「Track」メニューから、削除はトラック選択→「Edit」メニュー。
テンポと拍子
コントロールバーでBPMと拍子を設定。ここで曲のテンポやリズムを決める。
4. 音源やサンプルの追加・編集
サンプル・ループ追加
左のブラウザーから好きなサンプルやループを探して、トラックへドラッグ&ドロップ。すぐ再生できる。
MIDIノートの作成・編集
MIDIトラックにはシンセやドラムマシンを追加可能。MIDIクリップを作ってピアノロール(ピアノ画面)でノートを入力・移動・削除できる。ピアノロールでは音の長さや高さ、ベロシティ(強弱)も自由に調整。
ベロシティ=音の強さ。叩いた強さでサウンドが変わるので、大事。
サンプリング
既存曲やフィールド録音などの音ネタを使って新しい素材を作るのがサンプリング。「Simpler」はドラッグだけで簡単、「Sampler」はより細かい設定も可能。ピッチやエンベロープ、LFO調整もできるから、自分だけのサウンドに変化させられる。
オーディオクリップ編集・ワープ
クリップをダブルクリックしてタイムストレッチ(テンポ変更)、ピッチシフト(高さ変更)、切り刻み操作も簡単。
ワープ機能なら、サンプルのテンポ&ピッチを自由自在に変更できる。
- まず「Warp」ボタンでワープ有効化
- 波形に「ワープマーカー」を打つ
- それをドラッグしてテンポ合わせる
- Transposeでピッチ調整もできる
5. ミキシング&エフェクト
ボリューム&パン
ミキサーで各トラックの音量と左右バランスを調整。
エフェクト(FX)
リバーブ・ディレイ・コンプ・EQなどのエフェクトを、ブラウザーからトラックにドラッグで追加。
- インサートFX:特定トラックのみに直接かかる
- センドFX:複数トラックから信号を送れる。「リバーブを全体で共有」したい時などに便利。
- プリフェーダー/ポストフェーダー:フェーダー(音量)やパンの調整前後どちらでセンドするか選択できる
エフェクトチェーンとラック
- 複数のFXをチェーン(連結)して使うとサウンドにバリエーション出せる
- 「ラック」はチェーンの保存・再利用に便利
- オーディオエフェクトラック
- MIDIエフェクトラック
- インストゥルメントラック
複数パラメータの同時調整もマクロノブに割り当ててまとめてできる
6. ビートとリズムづくり
ドラムラック
MIDIトラックにドラムラックを追加→パッドに好きなドラムサンプルをアサインして、キーボードやパッドで演奏可能。各パッドごとにボリューム・エフェクトもかけ放題。Hot Swap機能でサンプル入替えも即できる。
パターン作成
MIDIノートでキック・スネア・ハイハットをピアノロールに打ち込んでパターンを作る。
- キック…リズムの土台、低域担当
- スネア…2・4拍目、ミドル〜高域
- ハイハット…細かいリズムやノリ
グルーヴ適用
グルーヴプールで「スイング」や「ラフなノリ」を追加。グルーヴテンプレをMIDIやオーディオクリップにドラッグするだけでOK。タイミングやベロシティも微調整可。
7. メロディ&ハーモニー
サウンド追加
シンセやピアノ、ギターなんかもMIDIトラックへドラッグ。好きな音色で演奏できる。
メロディ作成
ピアノロールでノートを打ち込むか、MIDI鍵盤でリアルタイム演奏して入力。音の長さや強さも細かく調整。
コード(和音)作成
ピアノロールで縦に音符を重ねてコードを作成。CメジャーならC・E・Gを同時に入力。
「Chord」エフェクトを使えば、1ノートから自動でコード生成も可能。
スケール
「Scale」エフェクトで特定のキーやスケールにノートを自動補正。CメジャーやCマイナーなど、間違った音を修正できる。スケールアウトしたい時は無効化して自由度アップ。
8. レコーディング
オーディオ録音
マイク・ギター録音用に新規オーディオトラック、入力選択、「録音」ボタンで録音スタート。
MIDI録音
MIDIトラック+MIDIキーボードでMIDIノートをリアルタイム録音可能。
キャプチャ機能
Ableton Live 10以降は「キャプチャ」ボタンで、録音ボタン押し忘れでも即録音内容をMIDIクリップ化できる!即興アイデアの保存に最適。
録音環境最適化&編集
ハードや部屋の環境調整、マイク位置、入力レベルもちゃんと気をつけよう。録音後はトリミングやタイムストレッチ、ピッチ修正などもできる。
9. アレンジメント(曲構成・流れ)
アレンジメントビュー
曲全体のタイムラインを横方向に並べて管理。セクションごと(Aメロ、サビ、ブリッジなど)にクリップをドラッグで配置し、曲の流れを目で見て作れる。
トランジションと自動化
- フェードやフィルター、リバーブなどを使うとセクション間のつなぎがなめらか
- オートメーションでボリュームや効果の変化を時間軸でコントロール。
基本は、オートメーションレーンに点(ブレークポイント)を打って曲線を描く感じ
ノブを実際に回す操作もリアルタイムで録音できる
→ 動きと変化のあるトラックに仕上がる
10. ミックス・マスタリング・書き出し
ミキシング
- 各トラックのボリューム&パンでバランス調整
- EQで周波数帯域を整理
- コンプレッサーやリミッターで音量ムラ・飛び出しを整える
- リバーブやディレイで空間感を追加
- Ableton付属の「Spectrum」エフェクトで音の周波数分布も可視化できる
マスタリング
- マスタートラックにEQ→コンプ→マルチバンド→リミッターみたいな順でエフェクトをかける
- 目指すのは全体のバランス、解像度、ラウドネス調整
- 最後は24bit、プロジェクトと同じサンプリングレート、ディザーONが推奨
※本格的に頑張るならプロに発注もアリだけど、自分でやると制作スキルめちゃ伸びる
マスタートラックとルーティング
全部の音は最終的にマスタートラックに集まる。ここにエフェクトをかけることで曲全体の音を一気に仕上げられる。
各トラックの出力先やサブミックスも自由に設定できるから、細かいコントロールもやり放題。
エクスポート
- 「ファイル→エクスポート」で完成曲を書き出し
- 2Mix(ステレオミックス):全部のトラックを1つのステレオファイルに
- トラックアウト(ステム)書き出し:各トラックごとに別ファイルで書き出し。他でミキシング/マスタリング依頼したい時や別DAWへ持ってく用
11. まとめ&次の一歩
このチュートリアルでAbleton Liveの基本から曲作り、ミキシング、録音、書き出しまでざっくり流れを紹介したけど、ここからが本番。
Liveはめちゃくちゃ深いDAWだから、いろんな機能&奥義もいっぱい。
自分でガンガン触って、トライ&エラーでスキル伸ばしていくのが一番の近道!
- 新しいプロジェクトを作ったり好きにアイデアをぶち込もう
- フォーラムや動画、ユーザーコミュニティも活用しよう
- なにより「楽しむ」が最重要。音楽制作は自分のクリエイティブ旅!
著者について

Genx
1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。
ウェブサイト:genxrecords.xyz