本当に24/7でハッスルしないとダメ? ビートメイカーの“やらなきゃ”マインドを問い直す

本当に24/7でハッスルしないとダメ? ビートメイカーの“やらなきゃ”マインドを問い直す

ビートを売ろうとしてると、終わりのない「やらなきゃリスト」に追い込まれてないか? 新しいビートを作る、SNS投稿、ネットワーキング、ブランド作り、新しいプラグインを学ぶ、プレイスメントを追う……永遠のグラインドだ。
でもちょっと立ち止まって考えてみよう。これは自分がほんとにやりたいことなのか? それとも「やるべき」って誰かが言ってるからやってるだけなのか?

ここで視点をひっくり返す。「ビートメイカーとして“絶対にやらなきゃいけないこと”なんてひとつもない」。音楽もビジネスも人生も、捉え方を変える時期かもしれない。

ビートゲームの“マスト”とは何か?

まず「やらなきゃ」と言われることって何だろう。俺たちの多くは、YouTubeの指南役、業界トレンド、成功しているプロデューサーの習慣をもとに日々を組み立ててる。
「毎日ビートを上げなきゃ」「大物アーティストとコラボしなきゃ」「今月はビートをX本売らなきゃ」。でもそれってほんとに自分のゴールなのか? それとも外から押し付けられた期待なのか?

プレッシャーのほとんどは、他人と比べたり「成功したプロデューサー像」に自分を押し込めようとすることから生まれる。業界のスタンダードが役立つときもあるけど、盲目的に追いかけるとクリエイティビティも情熱も吸い取られる。

外から植え付けられた思考を見抜く

ネットでよく目にするメッセージを思い出してみよう。
「全部のプラットフォームにいなきゃ」「タイプビートを作らなきゃ」「広告を回さなきゃ」。
これらは外部からのインプリント―業界、SNS、他のプロデューサーに植え付けられた「やるべきこと」だ。

無自覚なまま乗っかると、自分の夢じゃなくて他人の夢を追いかけることになる。

でも朗報がある。そんな“マスト”を問い直し始めると、自分がほんとにやりたいことに近づける。
「これって自分が心からやりたいことか?」
「この道筋は自分をワクワクさせるか?」
問いを投げることで、自分自身を映した音楽とビジネスの動きが生まれる。

自分の道を作るためにできること

どうすれば「やらなきゃ」に縛られる罠から抜けて「やりたい」ことに集中できるか。ビートメイカーのためのいくつかのステップを見てみる。

1. 自分の価値観を見直す

成功とは自分にとって何か。
ビートを100万曲売ること? 憧れのアーティストと仕事をすること? ただ好きな音楽を作り続けること?
業界が言う理想じゃなく、自分自身のゴールを定義する。

2. エネルギーを奪うものを手放す

嫌いなタイプのビートを無理に作る必要はない。SNSが苦手なら距離をとってもいい。
自分をワクワクさせる部分に集中する。そうすれば楽しさが増すし、むしろその方が成果につながることも多い。

3. 自分のペースで進む

ビートゲームは競争じゃない。毎日新しいビートを落とす必要も、全トレンドを追う必要もない。
自分のリズムを見つけて、その速度でカタログやブランドを作ればいい。

結論: “やらなきゃいけないこと”なんて存在しない

「ビートメイカーとしてやらなきゃいけない」という考えのほとんどは幻想だ。ベストプラクティスや業界標準はあるけど、それを選ぶのは自分。

「やらなきゃ」から「やりたい」にマインドを切り替えることで、音楽もビジネスももっと本物で満ち足りたものになる。

もしグラインドに押し潰されそうになったら立ち止まって自分に聞こう。
「本当は、自分の音楽で何をしたいのか?」
その答えこそが、自分だけのビートメイキングの道を作る鍵になる。

作り続けろ。問い続けろ。道は自分で決めろ。

著者について

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Genx
1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。
ウェブサイト:genxrecords.xyz

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