色んなリバーブを同時に使うと音がバラバラになる理由 — 統一感を出すビートメイキングのコツ

目次
リバーブとは何か
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リバーブは、音が壁などに反射して響く現象。この響きをDAWやエフェクターで再現することで、音に空間や奥行きを与える。
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主なリバーブの種類は下記のとおり。
- ルームリバーブ:小~中規模の部屋を再現。音が近く感じやすい。
- ホールリバーブ:コンサートホールや教会の響き。広大で壮大な雰囲気。
- プレートリバーブ:金属板の振動を用いる。明るくて濃密な響き。
- スプリングリバーブ:バネ独特の"ボヨン"としたメタリックな音色。
- アルゴリズミックリバーブ:デジタル処理で多様なリバーブ効果を生み出す。
- コンボリューションリバーブ:実際の空間の響きを録音しリアルに再現する。
異なる種類のリバーブを混ぜると起こる問題
- 空間認識がバラバラになり、曲全体がまとまりを失う。
- 音が濁ったり、周波数同士がぶつかりやすくなる。例:ドラムにルームリバーブ、ギターにホールリバーブをかけると、低音がかぶってキックやスネアが聞こえづらくなる。
- フェーズ(位相)問題が発生。リバーブどうしのタイミングがずれて、ミックスの迫力やクリアさが低下。
- 作業が複雑化。リバーブごとに音を調整・管理しなければならず、ミックス全体の統一感を出すのが難しい。
一貫性のあるサウンドスケープ作りのコツ
- 基本は「1つの種類」のリバーブに統一する。例:曲全体でホールリバーブ、またはルームリバーブのみ。
- 各トラックごとにリバーブを個別にかけるのではなく、「リバーブバス」や「センド」を使ってまとめて管理。
- 1つのリバーブでもパラメータ(ディケイタイム、プリディレイ、ダンピングなど)で微調整して、細かいニュアンスを出せる。
- リバーブのEQ処理で不要な低音・高音をカットし、混在や濁りを防ぐ。例:キックやベースにリバーブの低域をカット。
- 意識的に複数リバーブを重ねて独特の響きを狙うのはOKだが、やりすぎ注意。全体像を常に意識。
結論
- リバーブを上手く使えば奥行きや空間感は出せるが、統一感を持たせるのが重要。
- 複数種類のリバーブをむやみに混ぜると、楽曲全体がバラつきやすくなる。初心者ほど一貫性を重視。
- 覚えておきたいのは「目的とする空間イメージにフォーカス」「リバーブの使いすぎに注意」。実験と検証を繰り返し、自分のサウンドを磨こう。
著者について

Genx
1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。
ウェブサイト:genxrecords.xyz