ビートメイクで解放するノイズのチカラ――型破りなサウンドの使い方

目次
ノイズはビートメイクにおいて、単なる背景音ではなく独自の存在感を持つ素材。ここではノイズの基本から応用テクまでを解説。
ノイズとは
ノイズは周期性や音階がなく、基本的に「ランダムな音」。楽器の音のような心地よい和音や旋律とは異なるが、ホワイトノイズ(全ての周波数に等しいエネルギー)、ピンクノイズ(1オクターブごとに等エネルギー)、ブラウンノイズ(低音が強調されたノイズ)など種類あり。音色や聴感で印象が変わる。
ノイズの入手法
- フィールドレコーディング:外で録音すれば交通音や自然音などバリエーション豊富。
- アナログシンセ:多彩なノイズを生成できる。
- デジタルプラグイン:ノイズ系ジェネレーターや独特なシンセを活用。
- 無料素材サイト:Freesound.orgなどで様々なノイズを検索可能。
リズム素材としてのノイズ
- グラニュラーシンセ:ノイズを小さく刻んで並べ替え、新しい打楽器サウンドを作る技法。
- レイヤリング:スネアのアタック感強化、キックの重低音追加などにノイズを重ねる。
- トランジェントシェーピング:アタックやリリースを調整し、タイトなドラムヒットに変身。
質感・テクスチャー用ノイズ
- サイドチェイン:ノイズにダイナミクスを与え、他トラックと自然になじませる。
- リバーブ・ディレイ:空間的な広がりや奥行きを演出。
- フィルター・EQ:不要な低域や高域を削り、全体のバランスを整える。
モジュレーション素材としてのノイズ
- アンプリチュード(AM):ノイズで音量を揺らし、微妙な動きやリズム感を加える。
- フリケンシー(FM):ノイズで音高を変調し、偶発的な音色変化や個性的な効果を得る。
- フィルターモジュレーション:カットオフ周波数をノイズで揺らし、変化のあるテクスチャーを作る。
クリエイティブな加工手法
- ビットクラッシュ・ダウンサンプリング:デジタルの荒さを出して、ローファイ感を演出。
- ディストーション・サチュレーション:ノイズに暖かみやクセを追加。
- タイムストレッチ・ピッチシフト:速度や音程を変えて新しい音響をデザイン。
まとめ
ノイズはビートメイクに個性と広がりを与える優秀なパーツ。「型破り」な音使いで、唯一無二のトラックを生み出せる。ノイズの種類、収集法、加工テクを駆使して、思い切り音で遊んでみよう。
著者について

Genx
1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。
ウェブサイト:genxrecords.xyz