AI時代のビートメイキング:創造性はどこへ向かう?

AI時代のビートメイキング:創造性はどこへ向かう?

AIの進化でビートメイキングの世界は大きく変わる。AIと手作業、それぞれの道を選ぶ人たちが生まれている。

AIを取り入れるビートメイカー

AIを使うことで生産速度が加速し、アイデア出しも広がる。コード進行やリズムパターン、サンプル選びなど面倒な作業は一瞬で終わり、アイデアを磨くことに集中できる。膨大なデータに基づくAIの提案で、自分では思い付かない独特なパターンやサウンドと出会うことも可能。初心者でも扱いやすいツールが増え、プロレベルのトラックが誰でも作れる時代になった。

一方、AIを使いすぎると音楽から人間らしい感情や個性が失われるという指摘もある。同じAIツールから出てくる音が似てきてしまう懸念も根強い。

AIを使わないビートメイカー

手作業にこだわる人たちは、音楽は感情と個人の経験が詰まったものと考えている。アルゴリズムに頼ることは、その本質に反すると感じている。試行錯誤の過程そのものがものづくりの醍醐味であり、AIに効率化されるとクリエイティブな達成感が失われる。また、AIを使う人が増えれば作品が似通ってしまうので、手作業で作ることで独自性を際立たせたいという思いも強い。

効率面では不利だが、本物の人間らしさや個性を求めるリスナーには響く。

両者の共存と未来

この二つのスタイルは対立しているようでいて、実際には共存しそうだ。ハイブリッド型のクリエイターも増え始めている。AIでアイデアを広げ、仕上げは自分の手で細かく調整という使い方も浸透している。

リスナー側も選択肢が拡大する。AIで磨かれた洗練されたトラックから、完全に人間が手掛けた生のビートまで、色々な体験を味わえる。

結論

AIはビートメイキングに新たな道を開いた。でも最後は自分がどちらを選ぶか。スピードと実験性を重視するならAI、感情や手作業にこだわりたいなら伝統的なやり方。そのどちらも、独自の表現を目指す人にとって正しい選択になる。

著者について

Profile Avatar

Genx
1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。
ウェブサイト:genxrecords.xyz

関連記事