ビートメイキングにおけるフランジャーの極め方

ビートメイキングにおけるフランジャーの極め方

概要
フランジャーはビートメイキングでよく使われる多彩なエフェクトで、トラックに奥行き、動き、質感を加える。1960年代のテープマシンから始まり、今ではDAW上で強力なデジタルツールとして進化している。ここではその使い方を掘り下げる。

フランジャーの仕組み
フランジャーはオリジナル音に遅延させた信号を重ね、「コムフィルタリング」という効果でうねりやスイープ感を生み出す。主なパラメータは以下の通り。

  • ディレイタイム: 0.5〜20msの遅延を調整し、効果の強さを決める。
  • デプス: モジュレーションの深さをコントロール。派手にも控えめにもできる。
  • レート: モジュレーションの速さを決める。
  • フィードバック: レゾナンスを操作し、柔らかい質感からメタリックな響きまで出せる。
  • ステレオ幅: 音の広がりを強調する。

ビートメイキングでの使いどころ

  1. ドラムループ: ハイハットやスネアに動きを加え、リズムをよりダイナミックにする。
  2. シンセやパッド: 豊かで進化するようなサウンドスケープを作る。
  3. ベースライン: 実験的な質感を少しだけ加えるとユニークになるが、濁らないよう注意。
  4. ボーカル: 浮遊感やサイケデリックな効果をプラスできる。
  5. サウンドデザイン: 複数のフランジャーを重ねたり極端な設定で独創的な音を作る。

フランジャーを使いこなすコツ

  • 控えめに使う: ミックス全体を壊さないようにする。
  • パラメータをオートメーション: 曲中で効果を変化させ、動きをつける。
  • 他のエフェクトと組み合わせる: リバーブやディレイ、ディストーションと合わせると独特さが増す。
  • パラレル処理: 原音とフランジャー音をブレンドしてバランスを取る。
  • EQで整える: 前後にEQを入れてミックスの明瞭さを維持する。
  • プラグインを試す: さまざまなフランジャーを使って違いを探る。
  • プリセットを保存: 気に入った設定を残しておくと効率的。

まとめ
フランジャーはビートに奥行きやキャラクターを与えて独自性を引き出す強力な武器。基本のパラメータを理解してセンスよく使えば、個性的で際立つトラックを作れる。

著者について

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Genx
1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。
ウェブサイト:genxrecords.xyz

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