ラップボーカルのコンプレッション攻略ガイド

目次
ラップボーカルのミックスにはダイナミクスレンジの広さとアグレッシブなパフォーマンスがやっかい。コンプレッサーは音量を均一に、安定感を出すための必須ツール。使い方の基本をさらっとまとめる。
コンプレッションの理解
コンプレッションはダイナミックレンジを抑えて、ピークを小さくし静かな部分を持ち上げることでバランスの良い音を作る。重要なパラメータはこれ。
- スレッショルド:どこから圧縮を始めるか決める。例:-20dB
- レシオ:スレッショルド超えた信号をどれくらい抑えるか。例:2:1
- アタック:信号がスレッショルドを超えてどれくらい素早く圧縮するか
- リリース:信号がスレッショルドを下回った後にどれくらい速く戻すか
- メイクアップゲイン:圧縮後に失われた音量を取り戻す
コンプレッサーの種類
- VCA:クリーンで正確。ダイナミクスコントロールに最適
- FET:攻撃的でグリッティ。ラップボーカルにキャラクターを加える
- オプティカル:滑らかで自然。音楽的な減衰におすすめ
- チューブ:暖かくてアナログ感。深みや倍音を強調
ラップボーカルのミックス技術
- 低レシオでスタート:自然な音作りなら2:1や3:1が目安
- アタックとリリースを丁寧に:好みの強さや滑らかさに合わせて調整
- パラレルコンプレッション:ガッツリ圧縮したトラックと圧縮なしをブレンドしてエネルギーと厚みを出す
- マルチバンドコンプレッション:低域の近接感や高域の歯擦音だけ抑えることも可能
- オートメーション活用:手動でボリュームを調整してライブ感やダイナミクスも思い通り
まとめ
コンプレッションの使い方とテクニックを試しながら、ラップならではのエネルギーとパワーを際立たせる音を作るのがポイント。
著者について

Genx
1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。
ウェブサイト:genxrecords.xyz