ビートメイク──質か量か、本質を問う

目次
ビートメイクにおいて「クオリティ重視か、量重視か」という論争は根強い。どちらが重要か、一概に結論を出すのは難しい。この記事では両者のメリットとデメリットを考え、バランスの取り方についてまとめる。
クオリティ重視
「質」派は、独創的で印象に残るビートを作ることこそがアートとして最も価値があると考える。ポイントは下記の通り。
- 独自性:他と差別化できる個性的なサウンドを目指す。
- 音楽性:メロディ、ハーモニー、リズムが組み合わさり全体を引き立てる構成。
- 感情表現:感動や共感を引き出せるビートは人の心に残る。
- 技術力:機材やソフトの使いこなし、ミックス技術など、プロとしての腕前が問われる。
量重視
「量」派は、数をこなすことで実力が自然と上がり、チャンスも増えると主張する。
- 経験値アップ:多作するほど失敗も多く、そこから学んで早く上達できる。
- 露出チャンス:作品数が多ければ誰かの目に留まる確率もUP。
- 多様な引き出し:ジャンルやスタイルを幅広く追求できて柔軟性が身につく。
- ファン獲得:定期的に作品を出すとファンとの接点も増え、期待感を高められる。
バランスの取り方
結局、継続的な成長や成功には「質」と「量」どちらも欠かせない。大事なポイントは以下。
- 目標設定:自分のレベルやリソース、目指す方向に合わせて現実的な目標数・クオリティ基準を決める。
- ワークフロー構築:練習や新しい手法への挑戦・クオリティチェック、それぞれの時間を確保する作業ルーティンを作る。
- コラボレーション:他のクリエイターと組むことで刺激を受けたり、短期間で多くの経験を積める。
- フィードバック活用:仲間やリスナーからの意見を活かして改善点を見つける。成長速度が速まる。
- 割り切りも大事:完璧主義は時に成長の妨げとなる。ある程度できたら次に進むことで量を確保できる。
結論
ビートメイクの世界でどちらが正しい、という決め手はない。ただ、多くの成功者は「質」と「量」両方の視点から自分の制作活動を組み立てている。質と量、どちらかに偏らず、両方のメリットを上手く取り入れることで、より魅力的で成長できるビートメイカーになれるはず。
著者について

Genx
1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。
ウェブサイト:genxrecords.xyz