SunoとUdioでのステム分離実践術


AIプラットフォーム「Suno」と「Udio」は、数クリックでAI生成トラックから高品質なステム(ボーカル、ドラム、ベースなど)を分離・編集・抽出できるようにし、音楽制作を大きく変えた。しかし、最先端ツールでもアーティファクト(混入ノイズ)が避けられず、それをどう扱うかがAIプロデューサーの腕の見せ所。

Suno・Udioのステム分離の仕組み

  • Suno:楽曲生成後、「Song Editor」で最大12ステム(ボーカル、ドラム、ベース、シンセ、ギター他)に分離可能。ステムはプレビューや個別DLができ、リミックス・DAW処理も自由。
  • Udio:Udioも複数ステムを抽出可能。特にボーカルやパートごとの分離がキレイと評判。ジャンルによってはSunoより一貫した高品質という意見もあるが、Sunoの分離精度も急速に向上中。

Suno/Udioステムでよくあるアーティファクト

  1. ブリードスルー:特にSunoは、リバーブやボーカル等が完全分離できず、各ステムに他音がにじむ。空間系やFXのクロスチャンネル混入が定番。
  2. 解像度ロス:両者とも、人工的な「シマー音」や周波数抜け、ロボ的な残響が現れる場合あり。AI側の限界や学習データ偏りが要因。
  3. デジタルノイズ:Sunoの一部ジャンルや複雑な曲では、機械的なザラつきやビープ音が現れやすい。

アーティファクトへの対処・マスキング&ミキシング術

  • Sunoの場合、「Other Instruments」や背景ボーカルのステムに複数音が混入しやすい。アレンジが密な曲ほど、完全分離は困難。
  • ノイズマスキング(ホワイトノイズ/ピンクノイズ、レコードノイズ、テープヒス)を活用しデジタル感を隠す。-12dB〜-18dB程度下で混ぜればほどよく馴染み、特にLo-fiやHIPHOP系に有効。
  • EQで不要な帯域をカット、追加ノイズのEQプロファイルを当てて馴染ませるとスムーズ。
  • ステム劣化が激しければ、無理せずミックス全体で処理or他社ツール(RipX、Audimee等)で再抽出。

Suno/UdioユーザーのワークフローTIPS

  • Sunoは常に最新バージョン使用推奨。アップデートごとに分離精度が上がっている。
  • 両者ともアレンジ密度が低いシンプル曲なら分離が格段にキレイ。
  • 両方で試すのが吉。ボーカルはUdio、ドラムやシンセはSunoの方がクリーンな場合も。
  • より純粋な分離が必要なときは、専用ステム分離ツール(Audimee、Kits等)を併用。

結論:アーティファクトを活かし、マスクし、リミックスへ

2025年現在の最先端AIツールであっても、アーティファクトは「付きもの」。SunoやUdioでは、マスキングやEQ処理を駆使し、クリーンな音像とAIらしさの絶妙なバランスを作るのが肝。時には、その独特のデジタル感自体が新しい質感となり、唯一無二の現代的サウンドを生み出す武器にもなり得る。

Suno  Udio 

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