Ableton Live 12のチューニングシステムと外部VSTインストゥルメントの利用

Ableton Live 12のチューニングシステムと外部VSTインストゥルメントの利用
Ableton Live 12に新しく搭載されたチューニングシステムは、Live内の音源だけに使えるのか、それとも外部のVSTインストゥルメントにも使えるのか?

Ableton Live 12のチューニングシステムは、Liveの内蔵デバイスだけでなく、MPE対応プラグインでも使用できる。つまり、12平均律以外の音律に切り替える時、Live内蔵のインストゥルメントだけでなく、外部のMPE対応VSTインストゥルメントでも様々なスケールを鳴らすことが可能になる。ただし、外部プラグインを使う場合はMPE(MIDI Polyphonic Expression)に対応している必要がある。MPE非対応のVSTプラグインではLive 12のチューニング機能を活かせない場合があるので注意が必要だ。

標準キーボードでLive 12のチューニングシステムを弾く

12平均律以外の音律をLive 12で鳴らす場合、ピアノ型の標準的なMIDIキーボードをそのまま使うと次のような難しさがある。

  1. 鍵盤配列と実際の音高の対応が直感的でない
    12平均律の鍵盤では隣のキーへ進むごとに半音ずつ上がっていく。しかし別の音律では隣接する interval が異なるため、鍵盤位置と鳴る音の対応がわかりにくい。

  2. 12平均律以外を正確に弾くのが難しい
    たとえば純正律では同じキーでも前後関係によって音高が微妙に変わる。それを標準鍵盤で正確に表現するには技術が要る。

この問題を解決する方法としては、次のような手段がある。

  1. MPE対応キーボードを使う
    1つのキーで音高を連続的に変化させられるので、純正律などの微細な音程差を表現しやすい。

  2. ビジュアルガイドを活用する
    LEDで押すべき位置をスケールに合わせて光らせる製品もある。これを使えばチューニングと鍵盤対応が一目でわかる。

  3. 音律に合わせて独自の指使いを編み出す
    慣れるまでは難しいが、音律に合わせて運指を組み替えて練習することも重要だ。

標準的なピアノ型キーボードをそのまま使うのは厳しいので、MPE対応キーボードの導入やビジュアルガイドの利用など、演奏環境の工夫を推奨する。慣れるまでは負担があるが、多様な音律の表現力を得られる価値は大きい。

著者について

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Genx
1982年生まれ、日本人のビートメイカー・音楽プロデューサー。実験的なヒップホップビートを制作。国際的な環境で育ったため英語が話せる。趣味は筋トレ、アートワーク制作、ウェブサイトカスタマイズ、Web3。韓国が大好き。
ウェブサイト:genxrecords.xyz

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