多くのアーティストは「なるべく多くの人に音楽を聴いてもらいたい」と考えながら音楽を作ってしまいます。
そう考えながら作るとどうなるかというと、あの人にもこの人にも合うような作りを意識してしまうために、当たり障りの無い内容になってつまらない作品が出来上がってしまいます。正しくターゲッティングができなくなってしまうのです。
これは音楽に限ったことではないですが、趣味も考え方も違う複数の層を同時にアプローチしてしまうと、あなた独自のメッセージが効率良く伝わらないため、マーケティングの効果が薄まってしまうのです。
ショットガンからスナイパーライフルに持ち替えて、特定の層だけを狙う
複数の客層を狙うのは、ショットガンを打つのと同じです。ショットガンを打つと弾が分裂し、様々なところに分散しながら当たるけれど、特定のエリアだけに当てるのは難しく、レンジも短いので相手が遠くにいたら弾が全く当たらないという状態になりますが、複数の客層を狙うとまさにそのような現象が起きてしまいます。
ですから、ブランディング的に言ってしまうと、なるべく多くの人をお客さんにしようとする行為はそもそも間違いなのです。
ショットガンではなく、スナイパーライフルに持ち替えるような感覚で、一発の弾で特定の層だけに集中的に当てるようにしてください。
そのようにして、一貫性のあるメッセージを特定の層だけにひたすら配信し続けると、時間が味方をしてくれるようになります。
時間が経つごとにあなたのブランドイメージが強くなっていき、「ああ、あのアーティストね。知ってる、知ってる。〇〇な音楽を作るアーティストね」とリスナーから認知されるようになります。
時間に歯車を回してもらうか、時間に歯車を回してもらわないかは後々大きな違いとなって返ってくるので、常に時間を味方につけるという考え方で臨むのが効率的なやり方と言えます。
メッセージに一貫性を持たす
先ほどもチラっと言いましたが、特定の層だけを狙うことと同じくらいに大切なのはあなたが弾に込めるメッセージに一貫性を持たすことです。
なぜなら一貫性がないと、リスナーにあなたのことを「良く知ってもらう」ということができなくなってしまうからです。
あるときは「ギャングスターラップ」をして、あるときは「カントリーミュージック」を歌って、あるときは「R&Bソング」を歌うようなミュージシャンを見て、あなたはどう思うか考えてみてください。
何をしたいのか全く分かりませんよね。ですからあっちいったりこっちいったりして一貫性がないアーティストは見向きもされないですし、ファンもつかないのです。
ですから、何をやらないといけないかというと、世界に伝えたいメッセージに一貫性を持たすことが必要なのです。
「あなたが作りあげたいイメージ」を最初に作っておいて、それに合わせてパズルのピースを作って当てはめていくのです。
あらかじめ考えておいたゴールに到達できるような行動を日々積み重ねていく。それをすることで時間はあなたの味方をしてくれるようになります。
まとめ
まずは自分の作りたいイメージを決め、そのイメージに合う客層を設定します。
または、あなたは一体誰を一番ハッピーにすることができるかを考えることで客層を先に考え、その客層に対して作り上げたいイメージを後付けで考えるというやり方もあります。
いずれにしても、客層が決まったら、その客層が喜びそうな音楽をひたすら作り、ブレないことです。
これがあなたがアーティストとしてやるべきブランディングです。覚えておきましょう。