BitShares上級編

SmartCoin(スマートコイン)が成り立つ仕組み

BitSharesの世界ではBTSBitShares内の基軸通貨)を使ってSmartCoin(旧BitAsset)と交換できるというシステムがあります。

SmartCoinBTSの資産価値を担保とした金融資産であり、BTSデリバティブ(派生商品)です。

SmartCoinの本質は先物取引と同じように「契約」です。しかし、同じ条件での契約を多くの人が同時に行っているので、契約を他人と交換可能であり、現物のように扱うことができます。したがって、SmartCoinウォレットからウォレットへと自由に送付することができるので、他の仮想通貨と同じように使うことができます。

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つまり、SmartCoinBitShares内の取引所で取引することもできれば、外部の取引所などに持って行って、そちらで取引することもできます。(外部の取引所での取引はカウンターパーティ・リスクが伴います。)

SmartCoinは実物の資産の価格にペッグしているという特徴があります。例えば、BitUSDならばUSD、BitGoldならば金(ゴールド)、BitBTCならばBitcoinの価格をトラッキングしていきます。

このペッグがどうやって機能しているのかというと、先に申し上げたように、これはBTSの価値を担保とした誰かとの契約なのです。いつでも交換可能である契約は、仮想通貨として成り立つのです。

SmartCoinは誰かがSmartCoinショート空売り)する注文を出したところに誰かが買いの注文を出したときに初めて生成されます。

ショートする人はショートするSmartCoinの価値の100%に相当するBTSコラテラル(委託証拠金)として差し出します。SmartCoinを買う人は購入するSmartCoinの価値の100%に相当するBTSを支払います。

この資金がプールされ、生成されたSmartCoinの200%に相当するBTSブロックチェーンに預け入れられます。この資金は取引所ではなくBitSharesネットワークのブロックチェーンに預けることになるので、人が運営している仮想通貨取引所のように、盗まれたり、持ち逃げされるようなカウンターパーティ・リスクはありません。

取引が終了するまで安全に保管されます。

ショートは先物取引や信用取引の制度である

SmartCoinショートは、先物取引信用取引を通してショートする場合と同じ原理が働きます。

SmartCoinショートする人は、そもそもBTSの価値が上がり相対的にSmartCoinの価値が下がると思っています。

逆にSmartCoinを買う人は、そもそもBTSの価値が下がり相対的にSmartCoinの価値が上がると思っているか、またはSmartCoin(特にBitUSD)の安定した資産価値が欲しいと思っています。BTSBitUSDに変えたら、BTSの価値が下落してもダメージを受けない代わりに、BTSの価値が暴騰しても、その恩恵を受けられなくなります。それでも通貨としての安定感が欲しくてBitUSDを購入したいのです。

この二人の思惑が逆方向なので取引が成立するのです。

SmartCoinショートする人はSmartCoinを先に売って、あとでSmartCoinを売った値段より安く買い戻せれば「BTS建て」で利益が出ます。

逆にSmartCoinを買った人は逆で、SmartCoinの価格が上がった時に売れば「BTS建て」で利益が出ます。

ショートする側は価格がCall Price(強制決済価格)にヒットしたらマージンコールが発動し、自動的に決済が行われます。Call Priceにヒットした場合のマージンコール発動では、預けたコラテラルを使ってポジションを決済し、余った資金の5%が執行手数料としてかかります。余った分がトレーダーの手元に戻ります。

SmartCoinを買った人は(現物のように扱うことができる)SmartCoinを買っているわけですから、売る義務はなく、いつまでも保有することができ、好きなときに売却することができます。このときの売りは既に手元にあるSmartCoinを売るので「Sell」と言って、ショートとは区別されています。

まとめ

SmartCoinは他のペッグコインに比べ優れているところは信用ではなく、実際にコラテラルによって価値が担保されているところです。Solvency(支払い能力)を維持することによってシステムを成り立たせることができるのです。

SmartCoinのSolvencyを保てなくなるのは、BTSの価値が短期間で(24時間以内に)66%以上暴落してその価格を持続した場合のみです。

66%未満の下落なら、SmartCoinの価値を保つことができるため、損が出てしまうのはSmartCoinショートした人だけです。しかし、66%以上になると、SmartCoinの換金レートがペッグしている原資産自体よりも低くなってしまうので、SmartCoinの購入者にも損失が出てしまいます。

これだけの下落が短期間の間には絶対に起きないとは言い切れないので、完全なるリスクフリーになることは不可能ですが、それは資産をどの形にしておいても同じことが言えます。

いずれにせよ、SmartCoinは200%のコラテラルによってバッキングされているため、デフォルトしてしまうリスクは低いと言えるでしょう。

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