Epic Gamesとアップルの紛争が続いていますね。
Epic Gamesは外部の決済方法を導入しようとして、アップルからアプリを削除され、
アップルを訴えているという話です。
私はこのニュースに今でもずっと着目しています。
なぜならこの紛争からiOSの牙城が崩され、OSレベルでセキュリティが低下することで、これからユーザーが一人一人自分を守るためのセキュリティ知識をちゃんとつけなくては生きていけないレベルに発展する可能性があると思っているからです。
Epic Gamesに続いて、今は国レベルで(韓国とかね)アップルに外部の決済方法を承認しなさいと脅しをかけているわけです。
確かにデベロッパー側から見ると、アップルの決済を使い続けると手数料を取られ続けて苦しいわけです。
だから外部の決済をどうしても承認してもらって、手数料を下げたいという気持ちがあるわけです。
それはすごく分かります。
私もサイトを通してグッズを販売していますし、お客さんにPayPal決済を使われるとPayPalに手数料をたくさん持っていかれて、嫌な気持ちになったりしますもん。
私も人間ですしね。
でもね、ユーザーの視点になって考えると、
アップルが外部の決済を一旦承認してしまうとどうなるかというと、
ユーザーがAPPストアからダウンロードしたアプリで課金したいと思った時に、アプリ内で完結できるわけではなく、ブラウザでウェブサイトに飛ばされたり、そこでクレジットカード番号を入力して、決済しないといけなくなるわけです。
そしたら、何が起きるかというと、外部のサイトにクレジットカード番号を入力したという事実を覚えておかないといけなくなるわけです。
なぜなら、その外部のサイトがハッキングされたりしたら、クレジットカード番号がリークしたりすることもあり得るからです。
アップルがアプリ内決済を貫いているうちはこのリスクは回避できましたが、
アップルが外部決済を承認したら、アップルはユーザーを守れなくなるということになります。
つまり、今まで築いてきたUX(ユーザーエクスペリエンス)を崩すことになり、「iOSなら安全だね」とは一概に言えなくなってくるわけです。
また、アップルが外部の決済を承認してしまったら、
次は、「APPストア外からアプリをインストールできるようにせよ」みたいなことを言い出すに決まっているんです。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックってやつですよ。
相手がちょっと要求を飲んだら、次の要求をちょこちょこ出してくるってやつです。
で、最終的には相手に大きく譲歩させてしまうという極めて危険なテクニックです。
で、APPストア外からアプリをインストールできるようになったらどうなるかと言うと、
iOSの(Googleの)Android化が進むということになります。
そうすると、iOSにもアンチウィルスソフトを入れないといけなくなる日が来るかも知れない。
でもアンチウィルスソフトそのものがスパイウェアかも知れないから、インストールする前にそのアプリについて調べないといけなくなる。
そんな時代がやってきたら、一般ユーザーは次の時代についてこれるのか?
ついてこれない人が一定数いるに決まってる。
そのついてこれない人達は、甚大な被害を受ける可能性がある。
どのスマホを使っても「安全」ではない、だからセキュリティを勉強しなきゃいけなくなる。
それって今スマホを使い始めたおじさん、おばさん、おじいさんやおばあさんにできると思いますか?
セキュリティについて疎い人間については知らないよって?
そんなひどいことできるわけないでしょ。
だから、アップル税がかかり続けるとしても、アップルはiOSのUXを崩してはならないのです。
これは今後どうなるか、非常に注目している話題なのです。