ボーカル録音をする時、声の波形が0の位置からズレてしまうことがあります。
これをDC Offset(DCオフセット)と言います。
音の波形は0を中心として+と-に振動しますが、使用する機材の状態によっては中心が0からズレてしまうことがあります。
こういう状態のことを「DC Offsetがある」という言い方をします。
なぜ中心からズレてしまうのか
波形が中心からズレてしまう原因は、直流の成分が混ざってしまうからです。音の波形が+と-に振動する普通の波形を「交流」と言いますが、この波形に対して「直流」の成分が混ざってしまうと、中心からズレ、片側に偏ってしまうのです。
直流はあまり手入れの行き届いていないコンデンサーマイクなどから混入しやすいので、マイクで録音する場合はDC Offsetに特に注意してください。
DC Offsetがある波形をそのまま使用するとノイズの原因となったり、(音が偏っているせいで)ダイナミックレンジが低下し、本来よりも早くクリッピングを起こしてしまうという問題が発生します。
多くのDAWや波形編集ソフトにはDC Offsetを除去する機能があるので、それを使うと下記のように0を中心に戻すことができます。
多くの場合、DC Offsetはマイクからの録音時に見られます。
コンデンサーマイクの取り扱いが良くなかったり、湿気のある場所に放置していたりすると、DC Offsetが発生しやすくなります。
DC Offsetを発見したら必ずDC Offsetの除去は必ず行いましょう。