ディエッサーは、ボーカル録音において重要なツールの1つです。ボーカルには高周波数のシャープな「S」音や「T」音が含まれており、これらの音が強調されると、聴取者にとって不快な聴感を引き起こすことがあります。この問題を解決するために、ディエッサーを使用することで、不快なシビアな高周波を減少させ、より滑らかで自然な音を作り出すことができます。以下では、ディエッサーの基本的な使い方について説明します。
ディエッサーとは何ですか?
ディエッサーは、特定の周波数帯域で音量を自動的に減衰するエフェクトです。一般的に、ディエッサーは高周波数帯域(通常は2〜10 kHz)で動作します。高周波数の「S」音や「T」音は、通常、この帯域に存在します。ディエッサーは、この帯域の周波数を監視し、選択したしきい値を超える場合に減衰を適用します。このようにして、高周波数のシビアな音が抑制され、自然な音が得られます。
ディエッサーの使い方
ディエッサーは、通常、ミックスの後半に使用されます。まず、ボーカルトラックをソロで再生し、高周波数帯域の「S」音や「T」音を特定します。これらの音は、高周波数スペクトラムアナライザーを使用して簡単に特定できます。ディエッサーを使用すると、通常は2〜10 kHzの周波数帯域をターゲットにします。
次に、ディエッサーを挿入するためのオーディオエフェクトスロットを見つけます。一般的に、これはコンプレッサーやEQの後に挿入されます。ディエッサーは、これらのエフェクトの後に挿入される必要があります。ディエッサーは、コンプレッサーやEQの影響を受ける前に、ボーカルトラックの高周波数を処理する必要があるためです。
設定項目1:しきい値
ディエッサーを設定するには、しきい値、帯域幅、減衰量を調整する必要があります。しきい値は、高周波数の音がどの程度大きくなるとディエッサーが作動するかを設定するパラメーターです。しきい値が低すぎる場合、ディエッサーは不必要に多くの音を減衰させる可能性があります。一方、しきい値が高すぎる場合、ディエッサーが動作しないか、十分な減衰を行わない可能性があります。一般的には、しきい値は「S」音や「T」音のピークレベルの約3〜6 dB下に設定されます。
設定項目2:帯域幅
帯域幅は、ディエッサーが動作する周波数範囲を調整するパラメーターです。帯域幅が狭い場合、ディエッサーが作動する周波数範囲が少なくなり、処理される高周波数の数が減ります。逆に、帯域幅が広すぎる場合、ディエッサーが高周波数のみならず、他の周波数帯域にも影響を与え、自然な音質を損ねる可能性があります。一般的に、帯域幅は約2〜3 kHzに設定されます。
設定項目3:減衰量
減衰量は、ディエッサーが減衰させる音の強度を調整するパラメーターです。減衰量が低い場合、ディエッサーは高周波数の音をあまり減衰させず、自然な音質を保ちます。一方、減衰量が高い場合、ディエッサーは高周波数の音を強く減衰させ、自然な音質を損ねる可能性があります。一般的に、減衰量は約3〜6 dBに設定されます。
ディエッサーを再生しながら調整
これらのパラメーターを設定したら、ディエッサーを再生し、高周波数の「S」音や「T」音がどの程度減衰されるかを確認します。ディエッサーが過剰に作動している場合は、しきい値を上げたり、帯域幅を狭くしたり、減衰量を低くしたりすることで調整する必要があります。
逆に、ディエッサーが十分な減衰を行っていない場合は、しきい値を下げたり、帯域幅を広げたり、減衰量を高くしたりすることで調整する必要があります。また、ディエッサーが不十分な減衰を行っている場合、別のディエッサーを追加することもできます。複数のディエッサーを使用することで、より自然な音質を実現することができます。
最後に
ディエッサーを使用すると、ボーカルトラックの高周波数帯域からシビアな音が除去され、滑らかで自然な音質が得られます。ただし、ディエッサーのパラメーターを正しく調整することが重要です。しきい値、帯域幅、減衰量を調整し、音量レベルを監視することで、自然な音質を保ちつつ、高周波数のシビアな音を抑制することができます。また、ディエッサーは、必ずしも一度の調整で完了するわけではありません。いくつかのトラックで使用する場合、それぞれに個別に設定することが重要です。
また、ディエッサーを過剰に使用すると、結果として自然な音質が損なわれることがあります。したがって、ディエッサーを使用する際には、バランスを考えた調整が必要です。
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