投資の世界ではヘッジという考え方があります。

これは投資で利益を出すことを目的とするのではなく、将来起こり得る損失から身を守るという考え方になります。これは投資を行うに当たってとても重要な考え方になりますので、コンセプトだけでも理解するようにしておきましょう。

ヘッジがどのようにして行われているか、例を出しながら説明していきます。

売りヘッジ

例えば米の農家をしている人を思い浮かべてください。米農家では米の作付けから米の販売の間に時間があります。この時間が長ければ長いほど、商品の価格変動のリスクが高いと言えます。将来の米の価格を完全には予測できないことから、この農家は損失を出すことだけは避けたいと考えたとします。このとき、米農家の人は先物市場に行って、現物とは逆のポジションを持てば(ショートする)、現物の価格変動リスクを回避することができるようになります。

収穫時期になり、その年が豊作であれば現物市場の米の価格は値下がりして損失が発生しますが、先物市場の価格も同じく値下がりしているので、ショートポジションを持っている先物市場では利益が出ます。つまり、現物での損失分を先物の利益によってカバーすることができるのです。これにより、現物市場の下落の影響は受けなくなります。

逆にその年が不作で現物市場の米の価格が値上がりすれば、現物市場では利益が出ますから先物市場では損失が発生します。つまり、先物での損失分を現物の利益によってカバーすることができるのです。これにより、現物市場の動向は関係なくなり、当初予定していた通りの価格で米が売れることになります。もちろん先物市場に手を出していなければ、現物市場の価格の高騰でより多くの利益を出せたかもしれませんが、それだと上記の「現物市場の価格の下落時」のリスクをヘッジしないという選択したことになりますので、現物価格が下落した場合には損失が発生することになります。ここでは当初、米農家は利益を取ることより、損失を出さない「ヘッジ」の考え方をしたわけですから、「先物に手を出していなければ」というコメントはナンセンスになります。

このように、現物市場と先物市場を組み合わせることで販売価格をあらかじめ「固定」することができるようになり、米農家は安心して生産に専念でき、安定した経営をすることができるようになります。

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買いヘッジ

たとえば航空会社を思い浮かべてください。航空会社では飛行機を飛ばすために必要なコストとして「燃料費」があります。燃料は原油価格の変動の影響を受けるため、原油価格が値上がりすれば燃料費も上がり、経費が高くなります。ここで(大人の事情で)航空チケットの値段をすぐには値上げに踏み切れない場合もありますので、経費だけ上がってしまうと航空会社は赤字になってしまうかもしれません。この航空会社は近い将来、何らかの理由で原油の価格が高騰してしまうと予測していたとして、このとき損失を出すことだけは防ぎたいと考えたとします。このとき、航空会社は先物市場に行って、原油の買いポジションを持てば(ロングする)、価格の上昇リスクを回避することができるようになります。

実際に現物の原油価格が高騰したとして、先物市場であらかじめ原油の買い契約を行っていたので、この航空会社は先物価格で原油を購入することができます。現物の値上がりの影響を受けないので、経費も上がらず、航空チケットの値段を上げずに経営を続けることができます。

逆に予想が外れ現物の原油価格が下落すれば、現物市場ではより安く燃料を調達できるにも関わらず、割高な先物価格で購入しなければなりません。しかし、当初予定していた通りの価格で燃料を調達できることに意味があります。もちろん先物市場に手を出していなければ、より安く燃料を購入できたかもしれませんが、それだと上記の「現物価格の価格の上昇時」のリスクをヘッジしないという選択をしたことになりますので、現物価格が上昇した場合には燃料費が上がり、経費が上がってしまうことになります。ここでは当初、航空会社は利益を取ることより、損失を出さない「ヘッジ」の考え方をしたわけですから、「先物に手を出していなければ」というコメントはナンセンスになります。

このように、現物市場と先物市場を組み合わせることで購入価格をあらかじめ「固定」することができるようになり、航空会社は安心して本来の仕事に専念でき、安定した経営をすることができるようになります。

投稿者: Genx

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